ジョゼとピラール
ポルトガルJosé e Pilar / José and Pilar
実在の人物
ドキュメンタリー(人物)
ポルトガル語 日本語字幕
監督: ミゲル・ゴンサルヴェス・メンデス/2010年/ポルトガル、スペイン、ブラジル/117分
新型コロナウィルスに脅かされた今春、世界中でパンデミック小説が脚光を浴びたが、なかでもジョゼ・サラマーゴが20世紀末に発表した『白の闇』は各国でベストセラーにランクインした。本作はポルトガル語圏唯一のノーベル賞作家であるサラマーゴの晩年に密着したドキュメンタリー。小説の執筆中に重篤な病を得ながらも、書き続けるという強い意志と、愛妻ピラールの支えによって生還を果たす。その作品や発言が時に議論を呼んだ反骨の作家サラマーゴが初めて公にした愛とユーモアに満ちた私生活を映し出した本作は、非凡な才能と謙虚さは共存できることを教えてくれる。なお、本年はサラマーゴ没後10周年の年でもある。